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17. 商圏サイズ/市場の成熟度と品揃え
製菓・製パン専門店の経営は、商圏の取り方によって方法が違ってきます。また同時に、市場の成熟度についても把握し、それに合わせた対応が必要になります。今回は、「商圏のサイズと品揃えの関係」及び「市場の成熟度と品揃えの関係」についてご説明します。
 商圏サイズの基本的考え
【1】 大商圏・・・大勢のお客様が少ない頻度で来店
【2】 小商圏・・・限られたお客様が高頻度で来店
■商圏サイズの分類と商圏商法
商圏サイズは、おおざっぱに分類すると、大・中・小に分けられます。
大商圏では、広く薄く、多くのお客様を相手に、小商圏は、狭く厚く、少ないお客様を相手に商売をします。当然のことながら、商圏サイズによって商品構成が違ってきます。
 〜大商圏商法〜
  観光立地や大きな駅などでの商売が該当します。300万人入りこみ客数がある、大きな観光立地の前でお饅頭屋さんをしている、東京、大阪、仙台など大都市のステーションの中で売店を持っている、大都市の百貨店の中でショップを構えているというような商売です。
ここでは、絞り込んで特化した売り方をします。観光立地でお饅頭一品だけで何億円を売り上げている店も現実にあります。このような立地では、商品の幅はほとんどなく、ほんの数品、本当に一品だけの商売で繁盛しているというお店が少なくありません。これは大商圏だから成功するあり方です。広く薄く、多くのお客様に、年に1回か2回買っていただければいいという商売ですから、商品数は少なくてもいいわけです。

 〜小商圏商法〜
  逆に小商圏商法は、半径2〜5kmくらい、車の実走距離で言えばせいぜい20分くらいの範囲で、8,000〜10万世帯を対象にした商売です。1人のお客様に、年間10〜20回、少なくても4〜5回来店いただこうと思っているわけです。本当においしいお饅頭があっても、毎回お饅頭だけを買ってくれというのは、商売としては難しさがあります。いかにおいしい商品があっても、1品、2品では何度も来店いただくのは難しいでしょう。頻度高く来店してもらうためには、商品に変化をつけたり、いろいろな演出をしながら、何度来店されても飽きないような商品構成が必要なのです。これが小商圏商法です。

 〜中商圏商法〜
  これらの中間が中商圏商法です。ショッピングセンター、GMSといわれるようなところの大規模スーパーでのテナント、繁華街や中・小の駅などのショップで、大体10万人くらいを対象にしています。品揃えについても、大商圏商法と小商圏商法の中間。商品にはある程度の幅を持たせるために、シーズンごとの変化くらいは必要になってきます。
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■市場の成熟度と品揃え法
 〜成熟度に合わせた商品開発の必要性〜
  次に、市場の成熟度についてお話します。
日本の市場は総じて成熟していますが、製菓・製パン専門店業界の成熟度にはまだ地域差があります。大都市は超成熟、中都市では成熟、そして地方の市町村では未成熟というのが、この業界の大きなくくりかと思います。
市場の成熟度が高いほど商品に完成度が要求されます。比較対照する競合店が多いわけですから、当然お客様の目が肥えているためです。
よって、総花的な品揃えでは売れなくなっており、100万都市の中心部では、和・洋菓子の併売店は成り立ちにくいと言えます。もちろん和と洋を一緒に売るというのがダメなのではありません。しかし、専門店のなかにあって、併売店は、やはり力が分散してしまいます。その結果、専門店に負けてしまうのです。
しかし地方都市では、和・洋・ベーカリーの併売店も十分成立するエリアがあります。例えばオーブンフレッシュベーカリーの形態のパン屋が一軒もない地区では、洋菓子屋さんが焼き立てパンを提供すればよく売れます。「オーブンフレッシュベーカリーはもう古い」という議論は、都会には該当しても、地方では当てはまらないのです。
要するに、市場の成熟度に合わせて、力を注ぐべきところを見極める必要があるのです。市場が成熟しているところでは、和か洋に特化して絞り込むべきでしょう。しかし、未成熟な地域においては、和菓子に洋菓子を付加するという選択肢もあります。「成熟度」というのは地域による格差が大きいので、ご自身の経営エリアをよく検討し、ご判断いただきたいと思います。

 〜多店舗展開と市場の成熟度〜
  多店舗展開の際に留意すべき点をお話します。街の中心から10キロほど離れた山の手から多店舗化をしていこうとするときに、一般的には、人口が多い中心部に向かって出店を進めていきます。一概に悪いとは言えませんが、ここで注意していただきたいのが「市場の成熟度」です。中心部ほど市場は成熟しています。商圏人口が多く、一見非常に良いように思えるのですが、同時に競争も激しくなるのです。成熟しているところに進むほど、売上が取れなくなってくるという現象が多々見受けられます。
街を見ながら多店舗化を進めていくというのは原則ですが、皆様のおられるところの成熟度と、これから攻めようという中心部の成熟度をよく研究なさった上で取り組んでください。場合によっては未成熟エリアへの選択もあるということを覚えていただければと思います。
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