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店舗レポート
出店準備心得
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18. ビルド&スクラップの考え方
どの基準で店を閉店すればいいのかということは大変難しい問題です。
菓子専門店は製造小売業であり、赤字を消すために退店すると、同時に製造額を減らしてしまうことにつながります。閉店する場合には、お店の採算と併せて工場の損益も考えていく必要があります。
 ビルド&スクラップの基本的考え
【1】 売上は市場規模に対する自店の供給量で決まる
【2】 店のタイプ・立地により商圏は変動
【3】 全体の収益構造を見極める
■自店供給量と市場規模のバランス
直線距離で数km以内に複数の店舗を構えている場合、まず考えなければならないことは、売上は自店の供給量と、自店がおかれている周囲の環境・市場規模との関係で決まるということです。自店の供給量が市場の規模より大きければ、自店間競争を起こしてしまいます。逆に、自店の供給量よりも市場規模の方が大きければ、自店間の競争は起きません。
近隣のエリアでたくさんお店を持っていても、そこに膨大なマーケットがあれば、近くにあっても競争していない場合があります。近くにあるから競争しているとは一概には言えず、自店の供給量とその市場規模とのバランスによるということをご理解いただきたいと思います。
■近距離内でも立地により  商圏範囲が分かれる
自店同士が近くにあって市場規模もそれほど大きくないとしても、自店同士が競争するかどうかというのは、単純に店舗間の距離だけで決まるわけではありません。
例えば、駅構内にお店があり(A)、その駅から500m離れたところに路面店が1店舗(B)、その路面店と駅を挟んで反対側に500m離れて路面店が1店舗(C)あるとします。距離だけを見ると、この3店舗は接近しており、自店間競争を起こすと考えられます。しかし、路面店同士は駅で分断されていますので、別の商圏という見方ができます(B・C商圏)。また、駅構内の店は、大商圏のお店という見方ができます。この場合は、近い距離にあってもこの3つのお店の商圏はそれぞれ別だということになり、自店間競争は起こしていないと考えられます。
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■全体の収益構造を見極める必要性
 〜ケース1:複数総店舗の商品供給量と市場規模を比較〜
  更に、ある特定の店舗を閉鎖するとき、その事によって会社全体の収益構造がどうなるか。最終的にはこの見極めが最も重要であり、難しいと言えます。
直線距離で数km圏内に複数の店舗がある場合、その複数の店舗全体の商品供給量とその商圏の市場規模とを見比べて、その中で非常に高いシェアを取っている場合には、自店間競争を起こしている可能性があります。その場合は、採算の悪いお店を閉めたとしても、それほど全体の売上が減少しないと思われます。これがまず1つ目のケースです。

 〜ケース2:店舗の個別検討〜
  次に、先ほどの例のように、近くにお店があってもそれぞれのお店の商圏が分かれている場合があります。これが2つ目のケースです。
近くにあるからと言っても、必ずしも自店間で競争を起こしているということにはなりませんので、店のタイプによって個別に判断していく必要があります。

 〜ケース3:閉店が及ぼす会社全体の損益構造を検証する〜
3つ目は、自店間競争を起こしていて、その中の1店舗を閉めようと考える場合です。この時、よくあるケースとして、そのお店を閉めてしまうことにより会社全体の損益構造が悪くなる場合があります。例えば、3店舗で年商が1億5,000万円あるとします。各店舗の年商が7,000万円、5,000万円、3,000万円で、3,000万円の店が粗利38%の設定で年間400万円の赤字だとします。
そうすると、この3,000万円のお店を閉めることで400万円の赤字が解消されるように思われますが、逆に、企業全体として赤字額が700万円に増えてしまう場合があります。
最初に申し上げましたように、製造小売業ですから、赤字店舗を閉店することで製造部門の売上が3,000万円減少します。ですから、閉店は単店の損益計算だけで決めるのではなく、あくまでも会社全体の損益計算で決めなくてはなりません。
赤字店舗ですから、本来は、閉店したことで製造高が減少しても、それに企業の体質を合わせていくことが大切です。しかし、それには体力が必要です。利益を伴わないとしても、売上を落としてしまうことは企業にとっては厳しいことです。ですから、先にスクラップをしてしまいますと、経営が苦しくなる場合が多いです。ほとんどの場合は、赤字店舗を抱えていても、新しい店を出店した上で閉店する「ビルド&スクラップ」のスタイルを取った方がよいようです。
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