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店舗レポート
出店準備心得
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19. ビルド&スクラップの考え方2
前回、自店間競争が起きていても、単店の損益だけで閉店を決めてはいけないという事を申しました。 今回は、具体的な事例を元に検証してみます。
 事例 1
■年商1億円の菓子専門店。
  A店7,200万円、B店2,800万円の時、B店を閉店すると・・・
年商1億円、内訳はA店が年商7,200万円、B店が年商2,800万円の菓子専門店があったとします。このとき、直接材料費33%、製造粗利33%、残りの34%をお店の粗利と考えます。従って工場からお店に出す値段は上代の66%となります。

この会社の製造高は工場出荷額に直しますと、年商が1億円ですから6,600万円になります。製造粗利は3,300万円で400万円利益が出ています。年商7,200万円のA店の粗利は、7,200万円×34%ですから2,448万円。このA店の場合は360万円の利益が出ています。年商2,800万円のB店の粗利は、2,800万円×34%の952万円。B店の場合は200万円赤字になっています。

従いまして会社全体で見ますと、工場で400万円、A店で360万円、B店でマイナス200万円となり、合計560万円の利益が出ています。1億円の年商で560万円の利益ですから、まずまずの会社であると思います。

このとき、単純に数字を見まして、200万円の赤字を出しているB店を閉めてしまったとします。そうすると各数字は下記の通りになります。
この時に気をつけなければならないのは、B店は閉めるので粗利額はゼロになり、赤字も当然ゼロになります。しかし同時に、製造高も減ります。工場出荷額は1億円の年商に対して6,600万円ありましたが、これが7,200万円の年商になりますので、7,200万円×66%の4,752万円になります。従って、製造の粗利が3,300万円あったものが2,376万円になってしまいます。

この結果、製造部門で400万円あった黒字が、100万円の赤字になってしまいます。A店の利益は360万円なので、当初560万円あった企業の黒字も260万円に減ってしまいました。

これを整理しますと、現状B店は200万円の赤字を生んでいます。しかし一方では、自社工場より2,800万円の66%の商品を買い上げています。従って工場から見ると、B店は非常に良い顧客であると言えます。その顧客がなくなってしまうということなのです。200万円の赤字を消すためにB店を閉店するということは、同時に工場にとって1,841万円の売り先を失うことになるわけです。1,841万円の製造高が減少することで、工場は924万円の粗利益を失い、その結果、利益で500万円消失することになります。

この例はいたって標準的な事例です。決して特殊な事例ではありませんので、単純に店が赤字だからといって閉めてしまうと、会社の損益構造自体が変化してしまうということを十分に理解していただきたいと思います。
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 事例 2
■B店の閉店と同時にC店を出店すると・・・
では、B店を閉店すると同時に、年商6,000万円を狙うC店を、4,500万円の投資で出店するとどうなるでしょうか。工場出荷額は8,712万円になります。製造粗利は4,356万円で利益が700万円です。A店の粗利は2,448万円で利益が360万円、C店は2040万円の粗利で償却のため利益は0円になります。これは償却が大きいですから現状ではこうなりますが、次第に利益に貢献する店になると思います。

この場合だと、会社の利益は1,060万円になります。
-- C o n c l u s i o n --
◆製造高を下げずに運営することが基本
元の状況、B店を閉鎖した場合、B店を閉鎖してC店を出店した場合、この3つを比べますと、C店を出店した状況が一番良いと言えます。お分かりいただいたと思いますが、採算の合う新しいお店を出店し、採算の合わないお店を閉店する。それを上手にタイミングを見て行い、製造高を一時的にも下げることのない状態で企業を運営していくというのが「ビルド&スクラップ」の基本的な考え方です。
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