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店舗レポート
資金繰り講座
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16. 各種資金需要の概要と対処方法について
 
 今回は、設備資金需要と運転資金需要について、それぞれに分けた対処方法を考えたいと思います。
 資金繰りは企業として避けて通れない問題ですが、積極的に事業拡大を図る企業ほど資金需要が拡大し、困窮するものです。そのため、事業の拡大意欲があり業績好調にもかかわらず、資金不足から前進し切れていないような場合は、資金調達について従来の枠組みを取り払い、様々な可能性を検討すべきです。例えば、金利が高い資金は使わないと限定するのではなく、借り入れを起こさないことによる販売機会損失等との比較検討のうえで決定すべきと思われます。
 
 設備資金需要の概要と対処方法
出店、改装、工場投資の際には、建築費用、設備費用、什器備品費用などを中心に多額の資金需要が発生しますが、これ以外の出店関連費用としては、店内のディスプレイ関連費用、商品開発費用(包材、デザイン費用、企画費用等)、催事用のチラシ費用等から従業員の新規採用費用、商品用原材料費用が発生します。また、建築工事費に絡む各種税金も考慮に入れなければなりません。これらを考えると、建築関連費用が2,000万円程度であっても、全体では2,500〜3,000万円程度の資金需要が発生することになります。そのため、事業計画ではこの程度の金額を見込んでおかなければ、計画が狂うことになります。この資金を調達する際は、以下のように検討します。
 
【1】民間金融機関
複数の銀行との取引がある場合、基本的には、それぞれに対して話を持ちかけ、条件を引き出して比較します。この見積り(条件)を比較した上で決めるのですが、単純に金利の低さ等の条件だけでなく、他の借入状況や今後の借入予定などを絡めて検討すべきです。
例えば、短期の運転資金を借りやすくするために実績を積む場合や、取引上、外せない場合などです。
 
【2】政府系金融機関 (中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫など)
政府系金融機関を利用するメリットとしては、長期の借り入れを低利・無担保で借りられる場合があることです。また、長引く不況のため、政府対策として政府系金融機関による中小企業に対する円滑な資金供給策がとられているため、民間銀行のような貸し渋りにあう心配は基本的にはありません。
 
【3】生命保険会社、損害保険会社
返済期間が超長期となる場合、生損保からの借り入れを検討してみてください。生損保自体の資金の調達が保険という長期にわたるため、運用についてもできるだけ長くしたいと考え、このような対応が可能となります。店舗・工場建設資金で返済に10年以上かかるような場合、生損保に話を持ちかければ、銀行より安い金利で借りられる可能性があります。
 
【4】その他
上記のような金融機関、あるいはリース会社以外から、事業資金の支援を受ける方法もあります。例えばFC化の支援や総合的な経営支援を行う会社では、融資等を行い事業化を支援することで、将来的な収益等を期待します。多店舗展開している専門店や、工場拡大で増産を積極的に図っている専門店等で、その可能性があると思われます。
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 運転資金需要の概要と対処方法
運転資金に関しては、年間を通した資金繰りに合わせて調達を考えます。売り上げは月次での繁閑差が大きくなりますが、原料支払いにも1〜2ヶ月遅れて影響が現れるため、閑散期に繁忙期の多額の仕入代金を支払う場合では資金繰りが厳しくなります。例えば、新店出店の場合は、オープン特売で現金収入が増え資金繰りが楽になりますが、1〜2ヶ月後には商品仕入代金から諸費用の支払い、人件費負担等が増加しますので、逆に資金繰りがきつくなります。
他業種も含めて、売上拡大と工場増産後に資金繰りが逼迫するのはこのような理由によります。もちろん、その際にも、現預金残や資金調達能力が十分あればカバーできますが、実際には中小規模の店舗の場合、なかなかそのような余裕がないのが実情です。
このため、新店投資については、売り上げを取れる時期にオープンさせることを前提としつつ、自社の資金繰りと安全度を睨み、投資金額とオープン後の対策を講じておかなくてはなりません。
資金調達では、予想される投資金額以上を確保できるよう算段し、緊急の場合には迅速に対応できるようにしておくべきで、例えば、金融機関からの短期借入金の枠の確保、国民生活金融公庫のマル経等の事前準備で対処します。
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 ファクタリングの利用に関して
以上のような金融機関からの調達以外に、ファクタリングという手法も注目され始めています。通常、支払サイトは取引先との間で固定されており、期日迄の支払いが遅延すれば取引先からの信用は低下し、これが続けば取引継続が困難になります。この企業間取引を柔軟に捉え、原材料等の買掛金の支払サイト変動を資金調達として利用するのが“ファクタリング”で、銀行、ノンバンク、信販会社、生保等が母体のファクタリング会社によってサービスが提供されます。
このサービスを取引先(仕入先)が利用することで、従来は取引先に「仕方なく待ってもらう、お願いする」ことで支払いを延ばしていたものが、「金利を負担して支払サイトを延長する」サービスを受けることが可能となり、顧客(菓子・パン店)は次のようなメリットを得られます。
 
 支払サイト延長が容易となり、急な資金不足への対応が可能となる。金利の支払いは、資金繰り悪化と比較した場合、負担によるメリットがあり、利用価値は高い。
 出店、催事等で運転資金需要が急増する場合でも、資金的な裏付けができるため、思い切った仕入れができ、販売機会を最大限に活かすことができる。
 繁忙期仕入れ分の支払不安が軽減される。例えば、販売先からの入金が1〜2ヵ月以上後になる卸販売の場合は、需要期仕入れ分の支払対策として有効。
 
このように、ファクタリングの利用によって様々なメリットが考えられますが、重要なのは、決済サイト延長を前向きに捉えて利用するということです。サイト延長に従って金利負担は発生しますが、その負担と資金繰り悪化・販売機会損失をはかりにかけると、多くの場合でファクタリング利用のメリットがあると思われます。
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以上のように、資金需要に関しては、設備資金と運転資金によって対処方法が異なりますので、それぞれに適した手法をとることが重要です。また、ファクタリング等の新しい手法に関しても、メリットのあるものは積極的に利用していくべきと考えられます。
 
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