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7. リスクマネジメントの考え方(4)
 
 今回は、リスクのうちの1つの分類である「経営防衛上のリスク」について掘り下げてみます。ここでは、前回までにご説明してきた賠償責任発生による損失、天災・人災による資産への損害以外の部分を取り上げます。
 
 どんなときに「金銭的必要性=リスク」が発生するか?
 
【1】経営者を中心に考えた場合
 事業保障
 
経営者に万が一のことがおこった場合、急遽、取引先や金融機関へ債務の返済が必要となることが考えられます。単に、経営者の方の健康管理面だけでなく、会社の社会的信用を維持し、安定した事業活動を継続するためにまとまった資金準備が必要です。
万が一の場合に従業員が路頭に迷わないように、借り入れの金額等と照らし合わせ、平常時から資金準備をされておかれることをおすすめします。
 
 死亡退職金・弔慰金
 
経営者の皆様は労災保険等の法的な保障が薄いため、ご遺族の生活を保障することが必要で、また同時に相続税の納税資金が必要となります。予知できない事柄であるため、適正な金額を社会保険労務士・税理士等と打ち合わせの上、平常時に必要経費から積み立てておく必要があります。
 
 生存退職慰労金
 
万が一の場合以外にも、金銭需要が発生する可能性があります。それが生存退職金です。
企業の繁栄を導いてきた経営者の方には、その功労にふさわしい退職慰労金が必要ですが、いざ退職が見えてきたときに、業績が不振で、また設備投資の必要性が出てきたらどうなるでしょうか?かと言って、簿内に退職準備金の積立をおこなっても、課税され、思うように貯蓄ができないというのが現実です。
好・不況、業績の良否にかかわらず、会社の財務を圧迫せずに、退職慰労金を捻出するためには、早い時期から計画的に準備することが重要です。
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【2】従業員を中心に考えた場合
 死亡退職金・弔慰金
 
従業員の万が一の際に、ご遺族の生活保障は欠かせません。規定を作成の上、準備されることをおすすめいたします。なぜならば、業務上の死亡等の場合、労災の申請・労基署への届け出等が発生し、いやがおうでも遺族への対応を行わなければならないからです。もちろん予測不可能な一面がありますから、急な支出はさけられませんので、平常時から社員教育・健康管理面での支援・勤怠管理は欠かせませんが、その上で一定の資金準備をしておくべきと考えられます。業務外の死亡については、基本的には自己責任とするケースが多くなっています。
 
 傷病見舞金・休業保障
 
上記と関連して、従業員の業務上のケガ・病気での入通院も考えられます。この場合も上記同様、労災の申請の可能性があり、また見舞費用等が発生します。死亡時に比べると、一時に必要とされる金額は少なくなりますが、ケガ・病気の内容によっては、長期にわたり入院費用・手術費用がかかるケースが想定されます。 また同時並行的に、休業保障が必要となったり、かわりの従業員の確保費用が必要になったりします。 このあたりもある程度の規定を設け、あらかじめ準備しておくことをおすすめ致します。
 
 生存退職一時金・年金
 
優秀な従業員を確保・定着させるためには、福利厚生制度の充実が欠かせません。
その中でも特に退職金制度は費用面で最も経営に影響を与えるものであるため、その設計には繊細なものが必要です。あまりにも年功序列に偏ると若い人材に悪影響で、逆にあまりにも成果や職能に応じすぎると、永年会社を支えてきた従業員から反発されることが想定され、バランスのとれた制度構築が必要と言えます。
 
上記のように、「経営防衛上のリスク」は主に緊急時の資金需要といえます。平常時にどうやって資金を用意するか、それは簿内なのか簿外なのか、簿外ならば流動性・損金性・効率性からどのようなポートフォリオで積み立てるべきなのか、考え出すときりがありませんが、優先順位を決めて、対策を考えるというリスクマネジメントの観点から、今後も情報発信・方法論の提供を行ってゆきます。
 
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