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11. リスクマネジメントの考え方(7-2)
 
 危機発生時のポイント「クライシスコミュニケーション」のためのポイントを整理していきます。
 
 対応におけるポイント
(5) 最悪の事態を想定する
危機においては、常に最悪の事態・シナリオを予測・想定することが重要です。それによってのみ的確な計画立案と発信すべきメッセージ作りが可能になるのです。事態を深刻にしたケースでは、経営者が原因を正確に把握する以前に楽観的な対応をしたことが会社の信頼を落とすことに繋がっています。危機直後においては「絶対」はあり得ず、「他でも同様のことが起こっていたら、もしくは起こるかもしれない」という前提で対応していれば防げるトラブルもあるのです。
 
(6) 危機対応は日常業務から隔離
危機においては、その対応にあたる担当者を日常業務から開放し、専従させることが大切です。そうすることで社内に「最優先対応している」ということが徹底され、モラルダウンを回避でき、当然情報収集も早くなり、問題解決が早くなるのです。
 
(7) マスコミとの距離感を一定にする
本能的にマスコミにネガティブな対応をされると、攻撃的な姿勢を示しがちになりますが、マスコミが自社以外の最大の情報発信源であることを再認識し、謙虚に、また常に一定の距離を保って対応することが重要です。米大統領選挙の予備選で負け続ける候補者が、最初のいくつかの州での敗戦に逆上し、まだ残されていた挽回の余地を自分でつみ取ってしまったことはその象徴的な例で、画面の向こうに数千万の有権者がいることを忘れた典型的な例です。
 
(8) マスコミ以外の重要な訴求対象
欧米では当然に検討される視点ですが、危機の最中に会社からの情報を得たがっているのはマスコミだけではありません。危機によって直接影響を受けるのは社員とその家族です。マスコミ以上に経営者の生の声を聞きたがっているこの人たちに、早急に直接的なメッセージを発信することが重要です。このことがモラルの維持に繋がり、経営者の知らない現場での情報が、スポークスマン以外の口から外部に「おもしろおかしく漏れる」ことを防ぐことになります。危機時には社員の方が確実に冷静且つ常識的に事態を見ています。ただし事態や情報を隠蔽・操作するようなメッセージは逆効果で、どんな事件でもこのような社内文書は社員によってマスコミに明るみにされています。
 
(9) 単独の問題か業界全体の問題かの見極め
最後のポイントは、危機の際、それがその企業にとって特有の問題か、それとも業界の中で同じような問題に直面している企業があるのかを判断することです。個社の問題であれば別ですが、業界全体の問題であれば、単独企業への関心・批判集中を和らげることができる可能性があるからです。この視点は「責任逃れ」ではなく、同業者や団体からの支援を受けられたり、個社からの情報発信に信用性を与えることに繋がるのです。
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 事前準備
これまでリスクマネジメントの考え方から、危機発生時のスタンスまでお話してきましたが、大切なエッセンスは次の2点しかありません。
 自社にとっての強み・弱点はなにかを把握する
 危機発生時の対応をマニュアル化しておく
これは、決して社内の体制のみならず、自社の営業をするにあたって、仕入先・店舗の施工から天災の影響など、「なにがおこったらどうなるか」を冷静に考え、しかるべき対応として自社でそのリスクを保有するか、第三者に転嫁するかを決定しておくということです。
 
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