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14. リスクマネジメントの考え方(9)
 
 前回までは数回にわたり危機発生時の対応のポイント、つまり「クライシスコミュニケーション」のためのポイントを整理してきました。今回は、「食中毒への対応(HACCPへの目線活用)」についてお届けします。
 
 食中毒対応の国際標準としてのHACCP
まず最初に、厚生労働省も管理マニュアルの前提としているHACCPについてご紹介します。
HACCPとは、Hazard Analysis Critical Control Point(危害分析重要管理点)の略称で、危害分析(HA)と重要管理点監視(CCP)の2つから構成されています。この方式は、「食品の原材料、工程、製造環境、従事者、保管、流通に至る過程で、危害に結びつくおそれのある微生物汚染等について調査し、重要な工程を特定し、危害を防除するために当該工程の管理状況を連続的あるいは相当頻度のモニタリングを行うことで、危害発生を未然に予防し、食品の安全性や健全性、品質を確保するもの」です。 このような系統的な危害発生の予防システムを「HACCPシステム」と呼んでおり、衛生管理手法として1960年代にアメリカで開発されました。日本でも1995年5月に食品衛生法の一部が改正され、「総合衛生管理製造過程」の承認制度が創設、1996年5月から施行されています。
これによって、HACCPシステムによる食品の衛生管理方式が実質的に日本の法律の中にも取り入れられることになりましたが、アメリカやEUのようにHACCPシステムを義務付けしたものではなく、承認を受けるかどうかは、企業の自主的判断に委ねるものとなっています。
従来、日本における食品の衛生管理は、食品衛生法による厳しい規制を義務付けられており、十分な品質管理が行われていると思われていました。しかし、腸管出血性大腸菌O-157による集団食中毒が相次いで発生したことなどから、従来の最終検査重視型の衛生管理では予防が難しいと言われる「滅多に発生しない危害(微生物汚染等)」への対応が求められるようになってきました。
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 HACCP目線導入のメリット
HACCPは製造から消費までの各段階で重点管理することにより、危害の発生を各工程で予防していこうとするシステムであり、この点が従来型衛生管理方式と大きく異なる点です。 当然、導入することのメリットとしては、「食品の安全性向上」は当然ながら、それ以外として次のような点が挙げられます。
 
従業員による衛生管理に対する意識が向上する
HACCPシステムの導入の過程で様々な衛生管理方式の見直しが行われることによって、システム構築に携わった作業員等の品質に対する意識向上につながります。
消費者・納入先企業に対する「衛生管理体制」の客観的な立証に役立つ
第三者による承認という客観的な評価を受けることにより、各種工程における継続的な衛生管理体制が整備されている証となります。また、行政による監視・指導にも効果的かつ効率的に対応できるようになります。
各工程における衛生管理が徹底されることにより危害発生の予防に役立つ
重要管理工程での「管理基準からの逸脱」に対して、徹底した衛生管理を行うことにより、危害の発生を局所的に抑えることができるようになります。また万一、衛生上の危害が発生したとしても、その原因究明が容易であり、適時対処することによって、大規模な危害発生を予防することにもつなげられます。
上記から、HACCP自体を導入するのがベストですが、その目線を社内に導入するだけでも、衛生管理体制の向上に繋がるはずです。
 
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