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16. リスクマネジメントの考え方(11)
 
 今回は、2005年4月1日に完全施行される「個人情報保護法」の内容について考えてみます。
 
 個人情報保護法とは?
【1】概要
一定規模以上の個人情報を取り扱う者に対して、その取扱いに関するルールを義務づける法律です。ただしこの中に個人情報漏洩時の損害賠償に関する規定はありません。この部分はあくまで今まで通り民法の範疇となります。
【2】個人情報保護法成立の背景は?
1つには、情報技術の発達、個人情報データベースの巨大化による被害規模の巨大化、つまりCD−ROM1枚あれば数十万件の個人情報を誰でも扱えるようになったことが挙げられます。 また、有名な企業における個人情報漏洩事故の頻発も社会的関心を高めて法制化に拍車をかけたのも事実です。
同時に、グローバルスタンダードの流れのなかで、OECDやEUが、相次いで個人情報保護に関する国内法整備をはじめたことも、必要性を高めた要因となりました。
【3】法律の対象となる「個人情報取扱事業者」とは?
この法律で対象となるのは、「過去6ヶ月において1日でもデータベース(個人情報を容易に検索できる形)で保有する個人情報が5,000件を超えた事業者」のことを「個人情報取扱事業者」として対象としています。
ただしご注意いただきたいのは、1.概要でご説明の通り、損害賠償の規定はこの法律に規定されず、あくまで民法上の規定であるという点です。したがって個人情報保護法上の個人情報取扱事業者であるかないかにかかわらず、個人情報漏洩時には、民事上の責任が問われることをここではご確認ください。
【4】個人情報の定義は?
ところで、そもそも「個人情報」とは何をさすのでしょうか?
個人情報とは、特定の個人を識別できる情報全てのことを言います。この中には、他の情報と容易に照合することで特定の個人を識別できる場合を含みます。
【5】個人情報取扱事業者に課される義務は?
2005年4月以降、次の7つの基本的な義務が発生します。
 個人情報を取得する際には、利用目的を本人に通知または公表すること。
  ということは、必要以上に本人確認と称して免許証をコピーしたりすることはこの法律に触れます。
 利用目的変更時には、本人に通知または公表すること。
  上記と連動して、事業者の都合だけで取得後の個人情報を用いて事業を行えません。別の事業を開始し、以前取得した個人情報を用いて営業することは本人の許可なくしては行えません。
 個人情報の漏洩、滅失を防止するため、安全管理措置を確保すること。
 個人情報の管理を従業員に求める場合、従業員を監督すること。
 個人情報を委託先に渡す場合、委託先を監督すること。
  業務上提携するデータ加工会社や、DM発送会社への情報の譲渡は可能ですが、漏洩した場合の責任は委託元にもあるということです。
 個人情報を第三者に渡すときは、本人の同意を求めること。
 本人からの書面による個人情報開示要求には対応すること。
要するに取得時・利用時・転用時・廃棄時にわたって、徹底した管理体制と本人の合意を求められるというのが、この法律の特徴です。
【6】上記義務をはたさなかった場合の罰則は?
まず、違反事業者の担当省庁の大臣による「是正勧告」があり、それに従わない場合には、「是正命令」に変わり、それにも従わない場合には、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰則を受けます。
つまり、最悪のケースでは、担当者および使用者として経営者に刑罰が与えられるということです。
 
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