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債務の株式化は、銀行や企業が債務削減を迫られる中で、過剰債務と過小資本を同時に解消する案として2001年頃から多用されており、近年では、ダイエー、長谷工コーポレーション等が有名です。 |
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この手法は大企業だけでなく中小企業でも有効で、代表的なものは、社長や役員からの借入金の現物出資による資本組み入れです。例えば、バランスシートで総資産が5,000万円、負債6,000万円、資本1,000万円の場合は、欠損金が▲1,000万円の債務超過で、財務状態は悪い評価を受けますが、この負債に「社長や役員からの借入金」があれば、弁済の実現性が低いものから優先し、資本への組み入れを検討するのです。
ただ、この方法は銀行借入での利用は難しいと思われます。財務状態が悪化した中小企業の株式取得は事実上の債権放棄に近く、将来の収益等の支援メリットもあまり期待できないと見られるからです。基本的に身内の借入金が中心です。 |
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実際に債務の株式化を行う場合は、貸付側は金銭債権を現物出資して株式を取得することになります。上のケースで、負債2,000万円が身内の債権でこれを全額現物出資すれば、負債4,000万円、資本金3,000万円になります。次に資本金を減資によって2,000万円にすることで、欠損金▲1,000万円は相殺され、総資産5,000万円、負債3,000万円、資本2,000万円となります。 |
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バランスシートの内面を振り替えただけで、資金繰りが大きく変わる訳ではありませんが、債務超過が解消され自己資本比率は40%まで向上する等、財務指標は改善し債務償還能力改善のPRが出来ます。
これが信用格付け向上に繋がり、資金調達の円滑化、金利低減等の可能性も広がります。
企業間取引においても、取引先の信用力調査には帝国データバンク等の信用情報機関が利用されており、財務諸表が大きく影響しますので、債務超過を解消する意味は大きいといえます。 |
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さらに、社長や役員からの相続が予想される場合、このような借入金の処理は、相続税のリスク抑止効果も期待できます。社長や役員からの借入金は相続財産となる為、額面評価され税金を徴収されますが、返済の見込みがない貸付金であれば、納税資金不足に陥る恐れがあるからです。
銀行の手続きを考えても改善の必要性は読み取れます。銀行が融資を行う際は、担当者が融資稟議書を作成し行内で承認を受けますが、融資先企業の財務状態が債務超過等で悪化していれば決裁は難航します。銀行の合併や支店統廃合による人員削減も、行員の作業量増大による融資先企業評価の簡易化(手間の少ない数値評価中心)をもたらしています。借入側としては、担当銀行員が稟議を通し易くする為にも財務指標の改善に取り組むべきと思われます。 |
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メリットの多い債務の株式化ですがデメリットもあります。
例えば、資本金の額で定められている税金(法人市民税等)は負担増の恐れが出てきます。
また、株主構成や資産状況が変化すれば、贈与税の問題が出る場合もあります。
こうした税務上のリスクも踏まえたプランニングが重要ですので、税理士によく相談しながら慎重に進めなければなりません。また、もとより、会社へ貸付をしている役員は、株式を取得しても減資で失うことで経営責任を問われることになります。 |
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このように、バランスシートで「塩漬け」になっている役員借入金に目を向けると、様々な対策が考えられます。財務状態が良い企業でも、今後の財務改善の手段として理解する意味合いは強いでしょう。 |