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23. 信用格付け制度への対処方法(3)
 
 銀行の信用格付け制度では、決算書に基づく財務指標による定量分析と二次評価である定性分析から格付を設定し、取引先の今後3〜5年間の信用力を評価しています。
 ただ、金融庁は定量分析による過度の画一評価を問題視し、「金融検査マニュアル(別冊)」において定性分析に力点を置いた事例を多く掲載することで、数字には直接表れない強みを加味した査定も求めています。今回は、この定性分析のポイントとして次の4つの項目をご紹介します。
 
 分析のポイント
【1】技術力、販売力、成長性
店や商品、サービスの特徴や優位性が、企業の将来の収益や財務内容の好転に直接貢献することを示せる場合は評価に繋がります。
 
【2】決算実態成長性
勘定科目に含み益がある場合や、突発的な事項から決算が悪化している場合は、その実態が判る資料を提出することで理解が得られる可能性があります。
 
【3】企業と経営者の実質同一体
中小企業は、企業と代表者を実質的に同一体であると見なして企業の実力を判断させることが可能です。
 
【4】中長期経営計画の作成
定性評価を高める為には、将来性への期待を示し信頼度を向上させる「中長期経営計画」を作成することも重要で、金融検査マニュアルの指導でも指摘されています。従来から、銀行借入の担保は「不動産」「有価証券」「自行定期預金」と言われていますが、最近では「中長期経営計画」に基づくキャッシュフローも担保として考えられるケースができています。計画は次のように作成していきます。
 
 現状認識
  過去3期分の財務諸表の分析を行います。収益性、安全性、生産性、資金繰りについてまとめ、業績悪化の要因と財務分析結果との因果関係を明らかにします。
 
 経営環境変化への対応策の検討
  自社の経営に影響を与える要因を、プラスとマイナスに分けます。プラス要因に関しては、これを利用してどう業績向上に繋げるか、マイナス要因は影響を最小限にする為の対策を考えます。
 
 経営目標、方針の策定
  現状認識に基づいて、改善すべき財務指標と事業方針を策定します。3〜5年後の売上、粗利益、経常利益の目標を設定し、それを達成する為の方針と施策をまとめます。
 
 行動計画作成
  事業計画を具体的な行動計画に分解してスケジューリングし、担当責任者の目標を設定します。成果は人事考課制度と連動させ、社員のモチベーション向上に繋げます。社員1人あたり人件費の目標を設定し、社員参画型の中長期経営計画を作成することができます。
 
 キャッシュフロー計画と返済計画の作成
  資金余力をどの程度確保するか考えます。キャッシュフローは税引き後利益+減価償却費で考え、この範囲内で借入金の返済を賄える計画でなければなりません。銀行は貸出先企業の債務返済能力を当然ながら重視しますので、キャッシュフローと借入返済計画に高い関心を持ちます。
 
 計画の進捗管理とリスケジューリング
  計画策定後は進捗管理を徹底して行います。会議で目標達成の進捗を確認し、未達の場合は不足額を後の月に積み増すか、目標額を下方修正するか考え、行動計画のリスケジューリングを行います。
 
 銀行への報告
  中長期経営計画を提出した後も、計画進捗とリスケジューリングの説明を続けます。計画−実行−進捗チェック−修正のサイクルを繰り返すことで、経営管理体制の充実をPRすることにもなります。
 
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